子供向けでもぬるくない。
親と買い物に出たのですが、私は買うものもなく、車の中で
待ちぼうけ。
しかーし!今度の車はしっかりと暇潰しのためにワンセグが
しっかりついているのであります。
ちょちょいと各局をチェックしてみると懐かしの樫の木モックなど
やっておりましたので、見てみることに。
樫の木モックというのはタツノコプロによる、いわゆるピノキオ。
大人の事情でピノキオの名前が使えなかったと見えます。
昭和47年の作品といいますから、40年も前のシロモノですね。
この第39話「飛べ!気球 ふるさとへ」の回。
モックはおじいさんに会うために海を渡らなくてはいけない。
そこでうまいこと、気球で海を渡ろうという少年と知り合い、いざ、
気球の旅に乗り出します。
乗っているのはモック、気球の持ち主の少年、そのペットのオウム、
街にいた海を渡りたい老犬。
いろいろハプニングはあるものの、順調に飛んでいた気球も、
ガスが抜けて飛べなくなる寸前になるという絶体絶命の危機を
向かえ、ここで誰かが降りなければ海の上で全員死亡という事態に
見舞われます。
ここで少年が提案したのはくじで降りる者を決め、気球を軽くしよう
という方策。
1つの命の犠牲で他者を生かそうということです・・・
このくじで外れを引いたのはオウム。
オウムは自分は少年のペットだし、降りなくていい、みんなは
冷たいと非難します。
そして、気球のバルーンの上でサボタージュ。
気球は一向に飛び立つ気配がありません。
ここで海の上に板切れを見つけた老犬が、わしが降りるといって、
その板に乗り移ります。
少年とモックはその板にロープを渡して曳航しようとするのですが、
なかなかロープが上手く届きません。
これを見て、腹を立てたのがオウムです。
自分には出て行けといったのに、犬には情けをかけるのか、
そんなに出て行ってほしいなら出て行くと、そのまま飛び立ちます。
最初から飛んでいけばよかったと思うんですが・・・
オウムの重しが無くなった気球は急に飛び立ちます。
老犬を海の上に残して。
老犬は自分が戻ればまた気球は飛ばなくなる、わしはもう満足だ、
残して行ってくれといいます。
老犬は海を渡り、自分を捨てていった主人に復讐でもとこの旅に
加わったのですが、旅の途中で少年とモックの優しさに触れ、
人間を見直し、復讐の気持ちも無くなった、だからもういい、と
いうのです。
そして結局、気球は海の上に老犬を残し、2人は大陸にたどり
着きます。
「きっとあの老犬も流れ着いているさ」
少年のそんな言葉とともに物語は終わります。
・・・いやあ、実にシビアなお話です。
子供向きのアニメだとて、オブラートに包まない。
当時の脚本家の子供に向き合う姿勢の真剣さを感じますね。
「たかが子供番組」という姿勢じゃありません。
そんなことない方が良いに決まっていますが、人間誰しも時には
何らかの犠牲を払わねば進めないこともあるとこの作品は
子供たちに問いかけているのです。
それが命であっても。
もっとも、最近は子供向けアニメの本数は減ってるんじゃないかと
思いますし、あんまりやりすぎるとすぐにクレームつけるのが
いそうですから(どうにかするとスポンサーからも・・・)、及び腰に
なるのも仕方がないんでしょうかね。
番組が無くなっちゃ、訴えかける場が減っちゃいますから・・・
返ってモックなんかを堂々とキー局で再放送した方が子供の
ためにもなるんじゃないかと思ったり。
モックの飲むフランスのコーヒーはさぞかし苦かったでしょうねぇ・・・
良作を再放送してくれたチュバテレに感謝。
追記-
タツノコプロ自体がどうにかするとグッズ売るためにアニメを作って
いる現状ですからねぇ・・・
変なコラボはやめてほしい。
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